Wednesday, June 29, 2011

Web-Based Genome-Wide Association Study

Web-Based Genome-Wide Association Study Identifies Two Novel Loci and a Substantial Genetic Component for Parkinson's Disease

上のタイトルの論文がたいへんに読まれている。パーキンソン病は一般に環境因子が強いとされているが、遺伝要因について、web上でのケース・コントロール・スタディを行ったようだ。知識がないので、一言で言えば、結果の評価を(私は)できない。しかし、本当であったとしたら、嘘だとしたら、と両方の面から考えると、いろいろと考えさせる論文である。


Aperioでアップロード

SecondSlide 

umezawa @  nch
いつもの6文字


Sunday, June 26, 2011

讀賣新聞の記事

iPS細胞についての、本日の讀賣新聞「暮らし」欄での記事。

研究室の仲間が日曜日なのにコピーして送ってくれました。ありがとう。讀賣新聞も宅配してもらっているけどね、すごく助かるよ。iPS細胞のエピジェネティクスに関する記事は、最後のところに。字が小さいけど、読めると嬉しい。







Tuesday, June 21, 2011

PLoS Geneticsで最も読まれている論文

本日時点で、我々の論文がPLoS Geneticsで最も読まれている論文の一位にランクされている。共著者達の解析によると、読まれている回数はウェブに掲載された時点よりもPubMedに掲載された時点から急上昇しているので、今月いっぱいは一位を確保できる!!とのこと。まあ、瞬間風速であることは間違いないけど、読まれていること自体はとてもいいぞ!!!! 以下に一位になった時点の証拠を貼り付けます。一番上の論文ね。







6月20日の日本経済新聞


iPS細胞樹立過程のエピジェネティクスの波には、自分自身も驚いている。この研究結果から予想されることは、どんな細胞からでもiPS細胞は作製可能であること。また、その作製効率は、元細胞のエピジェネティクスに影響されることは否定しないが大きく変わらない。この2点。


国立成育医療研、iPS細胞の異常を解明 

2011/6/20 0:35
日本経済新聞 電子版



 国立成育医療研究センターの梅沢明弘再生医療センター長らは、ヒトの新型万能細胞(iPS細胞)で「メチル化」と呼ぶ遺伝子調節機能の異常が起きる仕組みを明らかにした。メチル化はすべての細胞で一様には起きないと判明。もとの細胞のメチル化は、そこから作ったiPS細胞には引き継がれないことも分かった。再生医療に必要な安全なiPS細胞作りなどに役立つ成果だ。

 米科学誌プロス・ジェネティクス(電子版)に掲載され。。。 以下は会員のみが読めるそうな。




レクチンアレイでiPS細胞の糖鎖を研究している三つの報告

 一つ目は、言わずとしれた我々の論文である。iPS細胞のIdentityを決めるだけでなくて、Purityだって分かるし、Contaminationだって分かるかも。
タイトルは、

Lectin microarray analysis of pluripotent and multipotent stem cells.

表紙がとてもきれいな雑誌の巻頭論文となっている。表紙だけでも一見の価値があるよ。2011年の幕開け論文。以下のサイトから読むことができます。

 二つ目は、浅島先生、堀本先生の論文である。図がelegantにそして詳細にまとまっていて、勉強するのに一番いいと思います。

 三つ目は、今年の国際幹細胞学会での演題。西原教授が教授してくれました。下の方に貼り付けます。サンディエゴのチームと京都大学のチームの発表。

 この三つとも内容的にはあんまり変わらないけど、包括的糖鎖解析というアプローチが一般化するのを予感させる。


2220 - IDENTIFICATION OF HIGHLYSPECIFIC LECTIN BIOMARKERS FOR ISOLATION OF HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS

Wang, Yu-Chieh1,Nakagawa, Masato2, Garitaonandia, Ibon1, Slavin, Ileana1,Altun, Gulsah1, Lacharite, Robert M.1, Nazor, KristopherL.1, Tran, Ha T.1, Leonardo, Trevor R.1,Peterson, Suzanne E.1, Laurent, Louise C.3, Yamanaka,Shinya2, Loring, Jeanne F.1

1Dept of Chemical Physiology, Scripps ResearchInstitute, La Jolla, CA, USA, 2Center for iPS Cell Research andApplication (CiRA), Kyoto University, Kyoto, Japan, 3Dept ofReproductive Medicine, University of California, San Diego, La Jolla, CA, USA

Rapid and reliable methods for determining pluripotency in humanpluripotent stem cell (hPSC) populations are critically needed, not only forquality control in basic research but also for purification of differentiatedhPSCs intended for clinical use. Antibodies targeting cell surface antigens arecommonly used to identify pluripotent cells in preparations of viable cells.These pluripotency-associated antigens are often glycoproteins or glycolipids,suggesting that unique glycosylation patterns potentially recognized byspecific lectins may be a hallmark of pluripotency. Using protein microarrayscontaining 45 different lectins, we discovered unique glycosylation patternsand distinctive lectin-binding signatures that distinguish pluripotent cellsfrom non-pluripotent cells, identified by analysis of glycoproteins extractedfrom 26 hPSC and 15 differentiated cell samples. As few as 15 lectins weresufficient to accurately distinguish hPSCs from non-pluripotent cell types.These highly specific biomarkers were shared by all 12 human embryonic stemcell and 14 human induced pluripotent stem cell samples examined, regardless ofthe method of derivation, the culture condition, the cell type of origin, andthe reprogramming strategy used. We then demonstrated the utility of specificlectins as tools for identification and isolation of hPSCs from mixed cellpopulations. Lectin-mediated fluorescence staining showed extremely highconcordance with staining for validated pluripotency-associated transcriptionfactors, such as OCT4/POU5F1. In addition, we were able to separate a 1:1mixture of hPSCs:non-pluripotent cells into two cell populations that were 90%pure using lections conjugated to magnetic beads. Gene expression analysisusing cDNA microarrays suggested the differential expression offucosyltransferases and sialyltransferases may be the mechanism underlying theassociation between pluripotency and specific patterns of proteinglycosylation. Our results demonstrate that protein glycosylation differsconsiderably between pluripotent and non-pluripotent cells, and suggest thatregulation of pluripotency-associated glycoproteins may be mediated bydifferential gene expression of glycosyltransferases. Specific lectins thatrecognize the pluripotency-associated glycoproteins are potentially usefulbiomarkers that can be used to monitor pluripotency in stem cell populationsand separate pluripotent and non-pluripotent cell populations for both researchand therapeutic purposes.



Sunday, June 12, 2011

今井眞一郎氏 NHKスペシャル出演 長生き遺伝子の発見者

今日のNHKスペシャルは、長生き遺伝子。

長生き遺伝子って言えば、その昔、古い校舎の4階で、同級生が教授から細胞の長生き遺伝子を見つけろという指示を貰っていたっけ。1984年の話です。正直言って、当時はどうするんだろうと思っていた。だいたい、どうやって見つけりゃいいんだっていう感じだった。最終的には、ブラックバーン博士が細胞の長生き遺伝子を見つけてノーベル賞をとった。その当時、学生だった今井眞一郎氏は、朝から晩まで実験して、細胞の長生きの指標(スケールっていうのかなマーカーっていうのかな)を発見し、国際誌に発表しました。すんごい努力で、いろんなものをかなぐり捨てて、科学に没頭していました。

その後、今井眞一郎氏は25年間米国を中心に活躍して、個体の長生き遺伝子を発見し、寿命延長を実現しようとしています。細胞だけじゃなく、個体ですよ。すごいよね。その話が今日のNHKスペシャル。良い意味でも、そうでない意味でも話題になるんじゃないかな。

娘と一緒にNHKスペシャルを見て、このおじさんはお友達だよと言って自慢し、寝ていた妻を起こして見させました。今井眞一郎氏は、「光陰矢のごとし、学成りがたし」と言ってがんばっていましたが、画面上では若々しかったです。さすがに、老化の科学者だけあります。秘密の薬を飲んでいるのかもしれません。今度、個人的に教授いただこうかと思います。残念ながら、このブログの読者にはまだ教えられないと思いますけど、僕の記憶力が良くなったら、ああ今井さんから情報を貰っているなと思ってください。

そんなことを思っていたら、米国で活躍している今井教授から電話を貰いました。子どもには、「ほら、さっきのテレビに出演していた教授は友達だろう。」と伝え、父親の株が上がりました。今井教授は、この8月と12月に一時帰国するそうです。運の良い方は講演を聴くことができるかもしれません。

長生き遺伝子にかかわる初めての論文は以下です。参考まで。

Imai S, Armstrong CM, Kaeberlein M, Guarente L. Transcriptional silencing and longevity protein Sir2 is an NAD-dependent histone deacetylase. Nature. 2000 Feb 17;403(6771):795-800.

そう言えば、4年以上前、中等部で今井教授からスライドを借りて、寿命に関する特別講義をしたけど、みんな分からなそうな感じだったな。今日のNHKスペシャルみたいにするのは、なかなか難しいよね。あーあ。当時の中学生も今は大学生。その時の話だって思い出してくれた人はいないかな。医学部の学生になった人もいるだろうしな。








Thursday, June 9, 2011

2011年6月9日 読売新聞 (大阪版のみ)コメント

 Natureのデータを見る限り、Glis1はmaternal geneであり、zygotic gene activationに関わらないと思われる。受精卵での発現も卵で残ったmRNAが検出されたのだろう。議論に書かれていたように、Nuclear transferにおける重要因子であると思われる。Nuclear transferにおいて、Glis1は十分条件ではないかもしれないが、必要条件ではあるだろう。十分条件だったら、すごいね。論文では著者らはGlis1をpro-reprogramming factorと考えているが、内部細胞塊(ESと同等ではないが近い)を形成する際のreprogramming factorと言えるかも。着床前期胚では、リプログラミングは生じていると言えるのだろうか。そんなふうに考えたことが、讀賣新聞(大阪版)の以下のコメントにつながる。

 論文中でもうひとつ面白いことはGlis1はES細胞では発現しておらず、ES細胞に導入すると増殖を阻害すること。

 iPS細胞は、皮膚などの細胞に3、4種類の遺伝子を組み込んで作る。がん遺伝子を含む4種類の遺伝子を使えば効率よく作れるが、がん化の恐れが高まる。がん遺伝子を除くと、安全性は改善するものの作製効率は100分の1以下になり、作製効率と安全性の両立が課題となっていた。 様々な組織の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)で、作製効率と安全性を大幅に向上させることに、京都大の山中伸弥教授と前川桃子助教らのグループが成功した。作製にがん遺伝子を使わない方法で、がん化の危険性が少ないうえ、iPS細胞になり損ねた危険な細胞も排除されるという。9日付の英科学誌ネイチャーで... (途中略)

 山中教授は「iPS細胞の実用化にとって、非常に有利な性質を兼ね備えた『魔法の遺伝子』だ」と話している。
 国立成育医療研究センターの梅澤明弘・再生医療センター長の話「卵子で働く『母なる遺伝子』がカギになっており、がん遺伝子と違って安全性が格段によくなるのもうなずける。生命の誕生の研究にも影響を与えるだろう」
(2011年6月9日  読売新聞)


Tuesday, June 7, 2011

日本経済新聞社2011年6月6日


西野氏の論文から導き出せることをたくさん説明したんだけどね。説明不足だったな。一点を説明し続ければ良かったかな。反省!!

「iPSになる細胞は一部」 東北大が定説に異論
日本経済新聞社2011年6月6日
........
過去の実験からは「どんな細胞でも基本的にiPS細胞になれる」(国立成育医療研究センターの梅沢明弘・再生医療センター長)と考える研究者が多い。


Sunday, June 5, 2011

細胞でつくった成育マーク 阿久津氏による (細胞は本物、色は着色)

阿久津氏が、大日本印刷の基材を使用して作製した細胞による成育のシンボルマーク