本の紹介。
どの医療もそうなのだが、再生医療も法令に基づいて行われる。法令は必要最小限の守るべきことを記載している訳で、それだけで良いわけない。法令とともに、道徳及び社会にかかる考え方に従う必要がある。医療および細胞製剤の安全性のみならず、仲間内での約束事を遂行する必要がある。インフォームド・コンセント、個人情報の保護、治療プロトコールの妥当性と言った当然守るべきことがある。それに加え、社会・仲間が許容できる考え方の枠組みを知ることは肝要となっている。
この本は再生医療にも造形が深い著者の道徳・倫理・法令・哲学に関するものであり、再生医療には全く関係ない。死刑に関する議論、国際紛争に関する議論、民族に関する議論を、「仲間」というキーワードから展開する。宗教、国、機関、チーム等々の組織体という集団における「仲間」内でのルールとそこに潜む問題点を炙りだして、著者なりの解決策を提示した上で、読者なりの考えを出せと命じる。平易に記載しようとしているけど、結構難しい内容。でも、面白い。今日は大雪が降ったあとなので、ゆっくりと楽しみました。また、(二度目を)読もうと思っています。