Saturday, October 25, 2008

山火事と湯気の中の菩薩



山火事と湯気の中の菩薩

虹の輪の中に撮影者が映る「ブロッケン現象」なんだと思っています。温泉の湯気に撮影者の後ろの方から光が差し込んで虹の輪ができていました。写真でははっきりしませんが、肉眼では結構はっきりと分かっていたので珍しいなと思い、撮影しました。


Universal cellsの検証

細胞医療における安全性の基準について。細胞株では、その基準は厳しい方向とすることが可能であり、また厳しくするべきである。専門家から伺った。その安全性を担保するための項目は大事だ。網羅的なアレイによる検証は必要不可欠だ。









Cell sheet

TERMISでO氏のCell Sheetの発表を拝聴しました。ひとつのことに集中していて感銘を受けました。






臨床応用

TERMISで感じたことがある。論文も大事だが、実際に臨床応用できた発表が一番評価が高かった。現場へもっていくことができた技術に対する高い評価は、ある意味、臨床経験のない自分にとって辛いものであり、良いパートナーが必要だと強く思った。その点でもO氏は天才であると思った。

自分は臨床をできないのであるから、臨床をできる方々にすべてお願いし、裏方に徹し、試験管内、動物実験での成果を生かして貰う。絵に描いた餅は食えない。






YSNPのUpper fallと記憶している。夕方に行った。すごい水量だが、写真ではその雰囲気がでていない。


kFDA versus FDA and EMEU

ヒトの軟骨傷害に対して、穴を開け、骨髄からの栄養を通し、ブタの軟骨を移植するという「治験」が韓国で許可されたという発表がTERMISであった。これって、日本では通らないだろうなと思っていたら、どちらかの国の方、おそらく台湾か中国の方が、kFDAで通ったこの治験申請は、FDAやEMEUで通ると思うかという厳しい指摘があった。かなりrespectを示した後の発言ではあったものの、問題点をついた質問であった。

ただし、臨床応用を20例程度実現していることに対して、会場が暖かい雰囲気につつまれていた、日本の学会では、その種類によるだろうけど、どんな反応になるだろうか。この点に関しては、様々な困難があるだろうが、実現化する力、意志が大事であると考えている。










Bear lake. 湖面の青色が、独特でこの世のものとは思えなかった。ただ、日本でも日光白根山の山頂のところにある湖の色はその日の天気に左右されるが、この世のものとは思えないと感じたことがある。


Wednesday, October 22, 2008

糖鎖マーカー

ヒト幹細胞は、糖鎖マーカーで規定されているものが多い。マーカーと言えば、ひとつ、ふたつといった形で規定する訳であるが、網羅的な糖鎖マーカーを同定するアプローチも、幹細胞分化状態を検証するのに使える。



Saturday, October 18, 2008

フィーダーレイヤー

フィダーレーヤーには、2種類ある。未分化性を誘導するもの及び増殖を誘導するもの、ならびに分化誘導を生じさせるものである。大部分は、細胞であるが、一部、羊膜マトリックスである。

支持能
1.骨髄間質細胞:造血細胞を長期に維持する。by Dexter TM.
2.マウス胎児線維芽細胞: マウス及びヒトES細胞の未分化性維持と増殖。


分化誘導
1.OP9: ES細胞を間葉系前駆細胞へ誘導する (PLoS Med, 2(6):e161)。また、心筋分化誘導する。
2.PA6: ES細胞を造血細胞へ誘導する。
3.羊膜の基底膜とmesodermal layer: ES細胞の神経分化










川を渡るバイソン。イエローストーン国立公園で、草を食べに反対側まで行って、お腹がいっぱいになったので、元のねぐらに戻るところ。みんなで移動している。


ヒトES細胞とiPS細胞から生殖細胞への実験をすることが許可された


ヒトES細胞とiPS細胞から生殖細胞への実験をすることが許可された「ようだ」。新聞記事を読んだので、本当かどうかは不明。いつからかも不明。

写真は、イエローストーン国立公園の温泉からたくさんの石灰が出ているところ。スターウォーズは、こんなところから景色を利用したのだろうか。よく似ているように思えた。



クローン動物を紹介

再生を紹介する時には、ドラゴンボールのナメック星人で例示する。

胚性幹細胞を紹介するときには、奇形腫から生まれた、ブラックジャックのピノコで例示する。

クローン動物を紹介するときには、このトラックパッド先の記事を利用しよう。正直言って全く知らないアニメキャラなので友人に教授いただこう。
http://blogs.yahoo.co.jp/subaru9631/34631426.html
上記のサイトから、ちょっと長いけど転載させていただきます。
 「クローンとしてのクルーゼ」
一般的に一つの細胞の分裂回数には限界があり、分裂を重ねるにつれて細胞の老化が進むと考えられている。染色体の末端部分にはテロメアと呼ばれる構造があり、これが細胞分裂をカウントする役割を果たしている。テロメアは6個の塩基からなる配列を数千回も反復した構造を持っており、その長さは細胞分裂を重ねるほど少しずつ短くなり、50~60回を限度にして細胞は分裂できなくなる。クローンの細胞のテロメアは短くなる傾向があり、例えば10歳の個体からクローンを作れば、そのクローンのテロメアはすでに10年分の細胞分裂を終えた長さになっており、その分寿命が短いことになる(しかし実際のクローン動物の実験では元の個体と同じ長さのテロメアを持つクローンや、あるいはそれ以上の長さのテロメアを持つクローンが生まれたという報告がありクローンのテロメアの長短については一概に言えないのが現状である。また個体の寿命はテロメアだけでなく生理的な要因が大きく影響するため、必ずしもテロメアの長さ=寿命ではない)。

すでに壮年だったアル・ダ・フラガのクローンであるラウは短命だったと見てよい。そのためアル自身の代役から失敗作として扱われた。このこともアルや全人類を憎悪する原因といわれている。そのためクルーゼは老化を遅らせるべく細胞分裂を低減させる薬物を服用していた。しかしその効果が切れた際の副作用はかなり激しいもので、苦悶するラウの姿が度々見られた。なお、小説版ではラウの素顔は老人のものだったという記述が存在し、身体も既にかなり老化していたと説明されている(『DESTINY』ではレイ・ザ・バレルが、自分もクローンであることをシン・アスカに打ち明けた時の回想シーンの中で、ラウの仮面が外れた際の素顔が見られる。老人というほどではないが、25歳にしては顔には皺が刻まれ老けて見える)。

アル・ダ・フラガがナチュラルのため、そのクローンであるラウも当然遺伝子的にはナチュラルである(小説版ではそうである事が書かれてある)。しかし彼がナチュラルであることを看破できたコーディネイターは皆無であり、その上コーディネイターの兵士の中でもトップガンとして活躍していたことから、ナチュラルとしては極めて稀と言える高い能力を有していたようである。事実、コーディネイター用のモビルスーツを操作しているナチュラルは、SEED本編ではラウただ一人である(DESTINYではレイ・ザ・バレルも)。









またまた、イエローストーン国立公園での写真。鴨だと思う。


個体の老化

細胞の老化に関与するArfが、個体の老化に関係するという。読んでないけど、個体の老化マーカーは、マウスの場合何で検討したんだろう。細胞老化の説明方法で、個体の老化を説明したんだろうか。ただ、この研究は、スパンが長すぎて、とても追試する人がいないだろうね。





ホテルの駐車場で出会ったMule deer。結構大きい。それと人間の近くに寄ってこようとする感じがある。


再生医療におけるドナー細胞の腫瘍化を検証する方法でベストは?

いずれが良いのかは、不明だが、列挙する。

1.免疫不全動物で腫瘍形成能を検討する(FDA, WHO)。
2.Comparative genomic hybridization.
3.染色体核型
4.TERT発現をRT-PCRで定量。
5.培養し続けて、不死であるかどうかの検討。

感度の問題が重要かもしれない。感度とは、ドナー細胞中に形質転換した細胞(腫瘍細胞と言える細胞)がどの程度含まれると異常と検出されるのか。また、形質転換と検出方法の関連が明確になっているか、関連がどのようなものであるかが科学的に証明できるものがよいだろう。








イエローストーン国立公園で見たウルフ(Wolf)。間違いないと思っている。灰白色の犬のような感じ。ちなみに大きい奴も真夜中の3時頃見かけたけど、あまりに怖くて逃げました。


Thursday, October 16, 2008

MAPC---Honest unintentional errors---

MAPCは、Honest unintentional errorsとして決着付くようです。Bloodの論文は、retractになるようです。特許とJCIとNatureの論文にも問題となる図が掲載されているとのこと(Nature, 455(16):849, 2008). 



Generation of iPS by the plasmid vectors without chromosomal integration

山中氏によってScienceに発表されたPlasmid vectorでできたiPS細胞は、染色体へのインテグレーションがPCR, Southern blot解析で認められていないようです。Without evidence of plasmid integrationとのことです。失礼しました。



Tuesday, October 14, 2008

ついに2因子でiPS

4月頃から、実験していたのは、研究室のA氏は知っていたものの、報告された。sox2とoct-4/3でiPS細胞が造れたという報告である。メルトン博士が発表した。バルプロ酸を使用している。まだ、全部を読んだ訳ではないのですが。。。








運転した距離は1,900 kmであることの証明。


Monday, October 13, 2008

Wikipedia---骨髄間質細胞---

最近、ある方から、「ブログやっているですって。よく時間がありますね。」と言われます。そこで、Wikipediaの記載を始めました。項目は「骨髄間質細胞」です。「えーっ。Wikipediaもやっているんですか。本当に、よく時間がありますね。」と、また言われるでしょう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AA%A8%E9%AB%84%E9%96%93%E8%B3%AA%E7%B4%B0%E8%83%9E



Pluripotent stem cells from adult testis

Nature doi:10.1038/nature07404
メモです。

LIF alone
GDNF followed by LIF
上記がよい。他のコンビネーションはだめ。
LIF/FGF2 did not improve germline stem cell culture (GSC culture).

LIF 1,000 units/ml
FGF2 4 ng/ml
GDNF (Sigma) 4 ng/ml



市民公開講座@国際湘南村

市民公開講座のビデオをアップしました。科学を専門になさっていない方々を対象にした話で科学とは関係のない内容もございます。楽しんでいただければ嬉しいです。

タイトル 「再生医療と病理」

http://1954.jukuin.keio.ac.jp/umezawa/umezawa.html



Sunday, October 12, 2008

卵子ホルモン

Green mouseは本当に役に立っているし、GFPの発見ってすごいよな。研究室内で使用しているMさんの実験でも、卵子での分子挙動を見ている。 卵子ホルモンが精子と出会うことで受精が生じるという発表です。Mさんの会心作です。

Proc Natl Acad Sci U S A. 105(35):12921, 2008
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18728192?dopt=Abstract



心筋形成

心筋形成をdirect reprogrammingで行おうという口演を聞いた。小室氏がNature誌に発表したIGFBP4はLRP5に作用する液性因子だが、Nature Cell Biol誌に発表したHMGA2はBaf60c (SWI/SNF related, matrix associated, actin dependent regulator of chromatin, subfamily d, member 3)のような働きがあるのだろうか。









Buffaloは、心筋研究者の方が家族と一緒に見にいけとすすめてくれました。ありがとうございます。朝早くに起きて、朝もやの中に草を食むBysonにびっくりしました。


Tuesday, October 7, 2008

クローン研究

英国におけるクローン規制は、世界の他の国とは異なる印象を受ける。



Fa2N4

Fa2N4という不死化肝細胞株があるらしい。どのようにして不死化したのかを調べてみたい。



成人精巣由来幹細胞

精巣由来幹細胞がヒトから樹立されたという報告がNature誌に欧州のグループから発表された。形態は、ヒトES細胞と多少異なるが、皮下への移植では多分化能を示している。正直言うと組織の写真で移植した細胞とホストの細胞があんまり区別できていないように思える。マウスGS細胞と同等だろうか。40回培養できたようなので、不死なのだろうか。遺伝子導入なしで不死なのは、胚盤胞内部細胞塊と精巣由来幹細胞か?



Sunday, October 5, 2008

Sirt1

米国のI博士がTenureになった報告を受けました。心よりお祝い申し上げます。

I博士が電話で言っていました。

Sirt1がES細胞やiPS細胞でシグナルが高い。未分化性の維持には必要ないかもしれないが、重要な臭いがするって。Sirt1と幹細胞、そして老化と、なんか面白い連関があると楽しい。



Grand Teton National Park


Friday, October 3, 2008

hERG assay

hERG assayの市場は20億円程度とのこと。細胞に、Potassium channel遺伝子を導入し、ツールとしている。ヒトの細胞で、いいツールができれば動物でのアッセイの市場を食って50億円程度の市場になる可能性があるようだ。開発したものが事実上の標準仕様になる必要は必ずしもなく、各メーカーの希望する仕様ないしはメーカーが保持するブツの有用性が証明できれば良い。心筋の場合で言えば、フィーダーレスでchemically-defined mediaが良い。

他の細胞でも、そうだろうな。



医薬品による催不整脈作用 (心電図におけるQT間隔延長)

薬物によるQT延長は,torsades de pointes型の心室頻拍や突然死といった副作用を誘発する.QT延長を誘発する薬物の多くが,心筋細胞の遅延整流K+チャネル(IK)の速い成分(IKr)を抑制し,心筋細胞の活動電位延長および心電図におけるQT間隔の延長を起こす.HERG(human ether‐a‐go‐go related gene)がIKrを形成するK+チャネルサブユニット分子である.HERGチャネルは,1200のアミノ酸からなる6回膜貫通型の電位依存性K+チャネルであり,遺伝性QT延長症候群の原因遺伝子の1つ(LQT2)である.HERGチャネルを培養哺乳動物細胞あるいはアフリカツメガエル卵母細胞に発現させると,心筋細胞で観察されるIKrと類似したK+電流が観察される.



Wednesday, October 1, 2008

SATB1

SATB1が、マウス乳癌の転移に関与すると、厚井重松輝美さんが発表している。SATB1って、unwinded DNA structureに結合できる蛋白質としてロシア人の女性ポスドクが同定した遺伝子だったと記憶している。15歳の息子が生まれる前の話で、そのロシア人ポスドクは、すごく実験が早かった。子どもを迎えに行くために、てきぱきと実験をこなしていた。この発表知らなかったな。