Sunday, October 16, 2011

宮戸さんの論文がNature Japanのウェブで紹介。

宮戸さん、おめでとう!!!!

これって、宮戸構造体(Exosome)の話とは少々、ずれるんだけど、実験デザインが面白いんだ。






β-カテニンは、細胞接着から細胞融合への移行を調節する分子スイッチである


β-catenin is a molecular switch that regulates transition of cell-cell adhesion to fusion

doi: 10.1038/srep00068 (2011)

受精によって精子と卵が合体する際には、細胞膜が接着し、融合するが、精子と卵の細胞接着を調節する因子についてはほとんど知られていない。今回我々は、精子と卵の細胞接着におけるβ-カテニンの役割を詳しく調べた。生化学的解析により、E-カドヘリンとβ-カテニンが卵内で、また精子内でも複合体を形成することが判明した。β-カテニン欠損卵を精子と受精させると、精子と卵の細胞接着がうまく起こらない。さらに、精子と卵の細胞接着が完了した後は、精子頭部や卵の精子付着部位でのβ-カテニンの発現が減少する。ユビキチン活性化酵素の阻害剤であるUBE1-41はβ-カテニンの分解を阻害し、また野生型卵の精子との融合能力を低下させた(一方、β-カテニン欠損卵では精子との融合能力の低下は起こらなかった)。これらの結果は、β-カテニンが細胞膜の接着にかかわるだけでなく、受精に伴う膜融合への移行にもかかわっていることを示している。

竹澤 侑希1*, 吉田 恵一1*, 宮戸 健二1, 佐藤 正宏2, 中村 彰宏1, 河野 菜摘子1, 榊原 圭一1, 近藤 喬彦1, 原田 裕一郎1, 大浪 尚子1, 金井 誠也1, 宮戸 真美1, 斉藤 英和3, 高橋 祐司3, 阿久津 英憲1 & 梅澤 明弘1

  1. 独立行政法人 国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究部
  2. 鹿児島大学 フロンティアサイエンス研究推進センター
  3. 独立行政法人 国立成育医療研究センター
    *These authors equally contributed to this work




No comments:

Post a Comment