幹細胞に関する基盤技術を組み合わせることにより、再生医療がシステム化されることは間違いない。その一方、すばらしいレベルの高い基盤技術が実際の再生医療と中にうまくフィットしない場合がある。特定の疾患に対して有効な基盤技術を開発しようとするのは困難が伴うことが多いと個人的に感じている。一方、幹細胞基盤技術から出発すれば、そのレベルが高い場合、その有用性がどの疾患に対する再生医療に最も有効かという出口を見つけることは成功の確率を上げる。それには、医師の知識、経験がある人に真剣にコミットして貰うことが好ましいと思っている。これは経験に基づいた「土地勘」の有無と考えていただきたい。また、対極の話になってしまうが幹細胞基盤技術の物理的メカニズム、化学反応、薬理作用を理解できるかどうかは、医薬品・医療機器として承認・上市する際に大切になってくると思っている。レベルの高い基盤技術が、応用産業に進まずに宙に浮いた状態にあるのは残念だ。要素技術と応用産業を俯瞰できる目利きを利用するべきである。さらに、要素技術をシークエンチャルに並べて、応用産業化できる能力が、幹細胞技術を医療の最前線の現場に持ってくる際に必要となる。
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