Sunday, January 11, 2009

ヒトES細胞に由来する間葉系幹細胞

ヒトES細胞をOP9細胞上で培養を開始し、40日程度で間葉系幹細胞が単離できる。

PLoS Med. 2005 Jun;2(6):e161

Derivation of multipotent mesenchymal precursors from human embryonic stem cells.


訪問者

 このブログサイト「間葉系幹細胞と骨髄間質細胞」の特徴を調べてみました。まず、訪問者のリピーターが少ない。他のブログサイトと比較すると、コメントを書き込む方の数が、訪問者の数に比較すると少ない。訪問者の方で、Yahooのブログを開設している方は少ない。訪問者数は増加傾向にあり、その増加傾向は勢いを増している。「間葉系幹細胞」とか「骨髄間質細胞」とかでGoogleを検索すると1ページの上位にこのサイトがでてくる。

 この傾向は、ブログの内容が極めて偏っていることから来ると思います。最初は、自分の家の写真や好きなことを書いていて、最近は完全に自分の研究内容に関する備忘録・メモとなっている。訪問者が多いのは嬉しいのですが、基本的に自分のために書くことを目的にしている。何か書き留めておけば、後々、思い出すときにこのサイトが便利な状態になっている。「自分のために」書くというのは、その方がブログが継続されるからです。

 だからと言って、訪問者が少ないのは悲しいと思っているし、「ブログ書いているんですね。」とか言われると嬉しい。「よくブログ書く時間がとれますね。」と言われるのは複雑な気分です。仕事が遅れており、いろいろな方々にご迷惑をおかけしていますが、ブログとは全く関係がございませんし、ブログ記載により、仕事がはかどっているような気もします.


Monday, January 5, 2009

臓器線維化症

 生体内における過剰な線維化および線維成分(コラーゲン)の蓄積は、強皮症、肝硬変、腎硬化症、肺線維症等の膠原病を引き起こす。また、これらの現象は、肩関節炎が進行した四十肩や五十肩などでも観察される。線維化の原因として自己免疫疾患が関与していると考えられているが、詳細はいまだに解明されていない。そのため、これらの疾病患者は数多く存在するにもかかわらず、この膠原病の一種である線維化病態に対しては、これまでに有効な治療法が確立されていなかった。

 線維化状態は線維化病態のみならず、広くコラーゲン蓄積に関連する状態をいい、過剰な線維化が認められる状態や、線維成分が過剰に蓄積された状態を含む。本明細書において、状態とは、疾患、障害および異常状態を含む。より具体的には、線維化状態は、生体内における過剰な線維化および線維成分(コラーゲン)の蓄積によって引き起こる強皮症、肝硬変、肝線維症、腎硬化症、肺線維症、骨髄線維症、膵臓線維化など各臓器・組織の線維症等の膠原病や肩関節炎が進行した四十肩、五十肩等を含む。さらに、線維性結合組織が増生することで線維化巣が形成された瘢痕(火傷、外傷、潰瘍、座瘡の痕等)、ケロイドを含む。なお、本発明は、ヒトを含む哺乳動物に適用することができる。


MMP遺伝子発現促進剤、コラーゲン代謝促進剤、化粧料および医薬ならびにその製造方法

【課題】安全性の高いMMP遺伝子発現促進剤、コラーゲン代謝促進剤、化粧料および医薬を提供する。

【解決手段】有効量のアシタバ根部抽出物を含む、MMP遺伝子発現促進剤、有効量のアシタバ根部抽出物を含む、コラーゲン代謝促進剤、アシタバ根部抽出物を含む化粧料、および有効量のアシタバ根部抽出物を含む、線維化状態を処置するための医薬、ならびにこれらの製造方法が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のセリ科シシウド属植物根部抽出物を含む、MMP遺伝子発現促進剤。
【請求項2】
有効量のセリ科シシウド属植物根部抽出物を含む、コラーゲン代謝促進剤。
【請求項3】
セリ科シシウド属植物根部抽出物を含む化粧料。
【請求項4】
有効量のセリ科シシウド属植物根部抽出物を含む、線維化状態を処置するための医薬。
【請求項5】
セリ科シシウド属植物根部と抽出溶剤を接触させ、セリ科シシウド属植物根部抽出液を得るステップを含む、MMP遺伝子発現促進剤、コラーゲン代謝促進剤、化粧料、または線維化状態を処置するための医薬の製造方法。






Thursday, January 1, 2009

心筋分化誘導因子 with PLoS One impact factor (plos one)

 研究室の上大介氏(渡邊昌俊教授指導)が、心筋分化誘導因子をコンピュータを使用して見つけ出しました。そのソフトは、米国の洪実氏が開発したもので米国NIHのサイトに公開されています。そのソフトを利用すると心筋分か誘導因子をふたつあぶり出すことに成功しています。ひとつは、グレムリン(Gremlin, Grem1)と言われているものでPLoS Oneに発表しています。
英文論文は以下のサイトに掲載されています。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0002407

 もうひとつは, IGF-BP4でした。IGF-BP4については、全く別の方法で小室教授が同定し、7月に著名なNature誌に出版し、多くの新聞がとりあげています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18528331?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum




Mt. Fuji from the laboratory, NCCHD, Tokyo on Jan 2, 2009.




plos one impact factor PLoS One Impact Factor


ヒト白眼は軟骨

 「人の白目は軟骨である。」という論文を世古裕子氏が発表しました。PLoS Oneという雑誌です。人細胞の遺伝子発現を全身調べていたら、軟骨と白目が兄弟にあたることが、分かりました。もともと、魚類では白目は軟骨でして、食べるとおいしいところの内側にあります。結論は、人の白目は実際には軟骨ではありませんが、魚の白目同様、軟骨としての性格を進化過程で保持しているということです。なお、白目は専門用語で強膜といいます。第一著者の世古氏は、ママさん研究者でとっても優秀です。今は、強膜の研究だけでなく毛様体と網膜の研究をなさっています。このような優秀なママさんが研究者として続けられるような社会の仕組みが必要不可欠です。

 解析は、コンピュータが打ち出した結果です。そのソフトは、米国の洪実氏のNIHのサイトにあります。

 論文の場所は以下となります。
 http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0003709


野球肘と喫煙

 「喫煙が野球肘を生じさせたり軟骨修復を遅らせるのは、ニコチンが直接、軟骨分化を阻害するからである。」という論文をPLoS Oneに出版しました。ニコチンが軟骨治癒を促進すれば面白かったのでしょうが、血流とか他の原因ではなく、ニコチンの軟骨に対する直接作用であったわけです。第一著者の川北氏は元野球少年で、アンチ喫煙派です。私の方は、へそ曲がりで意地の喫煙派です。

掲載された論文は、以下で読むことができます。
http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0003945