生体内における過剰な線維化および線維成分(コラーゲン)の蓄積は、強皮症、肝硬変、腎硬化症、肺線維症等の膠原病を引き起こす。また、これらの現象は、肩関節炎が進行した四十肩や五十肩などでも観察される。線維化の原因として自己免疫疾患が関与していると考えられているが、詳細はいまだに解明されていない。そのため、これらの疾病患者は数多く存在するにもかかわらず、この膠原病の一種である線維化病態に対しては、これまでに有効な治療法が確立されていなかった。
線維化状態は線維化病態のみならず、広くコラーゲン蓄積に関連する状態をいい、過剰な線維化が認められる状態や、線維成分が過剰に蓄積された状態を含む。本明細書において、状態とは、疾患、障害および異常状態を含む。より具体的には、線維化状態は、生体内における過剰な線維化および線維成分(コラーゲン)の蓄積によって引き起こる強皮症、肝硬変、肝線維症、腎硬化症、肺線維症、骨髄線維症、膵臓線維化など各臓器・組織の線維症等の膠原病や肩関節炎が進行した四十肩、五十肩等を含む。さらに、線維性結合組織が増生することで線維化巣が形成された瘢痕(火傷、外傷、潰瘍、座瘡の痕等)、ケロイドを含む。なお、本発明は、ヒトを含む哺乳動物に適用することができる。
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