Sunday, March 27, 2011

標準化・標準株

細菌なんかの規格化には、測定方法は問わない(らしい)。DNA配列を決めていく。標準化にはISOとかJIS規格といったものがある(らしい)。

細胞に関しても、同様に規格が決められることになる。

カビ何かだと、形態も重要で官能的判断として主観がある(らしい)。一方、絶対的塩基配列から、どれだけ相同かを決めることができ、ある株からの違いを塩基配列で2%で新種であると決めている。

iPS細胞の規格については、糖鎖、メチル化、遺伝子発現等で決めることができるが、相対値でかつ再現性よく「iPS細胞であるとかない」とかを言えなくてはいけない。

山中氏が original reprogrammerであるので、山中の標準細胞といったものがあり、それが規格のDe factになる。最初の論文がDe factになる。ちょっと分かりやすく言えば、ある数値から離れたらiPSと言わないようにしようというのが、規格設定と言うことになる。


規格

細胞の規格を議論するときに、鉛筆の例を出してくれた。

鉛筆の芯にかかる固さは、炭素の含有量で決まっていて、4B, 3B, 2B, B, HB, H, 2Hとか決まっている。定量的にも定性的にも区切りをつけて、誰でも開発者になったときに便利に鉛筆の芯に関する固さを決めることができる。


寄託

学問上で有用な細胞に関して、医薬基盤研や理化学研究所が寄託先になっている。

産業上有用なものは、Biological Resource Centerとしてナイトがやっている(らしい)。微生物、古細菌、糸状菌、酵母、DNAクローン(大腸菌)がそれにあたる。微生物に関しては、寄託を受けるときに分類する(らしい)。16S rRNAの配列を見て、同等性評価(分類)、標準化(基準株:タイプストレイン)をする(らしい)。


骨髄間質細胞

骨髄間質細胞に関するブログなのである。骨髄間質細胞にかかる記述が少ない。

研究はつづけており、いまだに組織の虚血に対して有効であると思っている。Scarless wound healingでもやってきたが、虚血下肢に対する前臨床研究の成果があるので、論文上で勉強してみよう。


Saturday, March 19, 2011

マウス、ブタ、ヒト細胞の細胞培養での増え方。

先日、この3月で修士を取得して、卒業する学生がしてくれた研究成果をT氏とともにうかがった。一言でいると、ブタ細胞はヒト細胞より増えにくい。ブタ細胞はマウスよりは増えやすい。それで、結論は、ヒト細胞が一番よく増える。培養条件がそのようになっていると考えるのか、細胞に内在する性質によるものと考えるのは、古い議論なのでここではやめる。

 マウスとヒト細胞における事実は、1980年代に報告されているので、よく知られた事実である。再生医療の前臨床研究で、ブタを利用する場合で、細胞の増えやすさが気になった。


Sunday, March 13, 2011

大きな機器の地震対策

今回の地震で大きな機器が移動した。机の上にあるものは、落ちたらたいへんなことだ。人に触れれば大けがになるし、死亡する可能性もある。机に対する地震対策は万全であったように感じる一方、机の上にある機器を大きなものや重いものについては固定する工夫が必要だ。余震も続く訳だから、思いついたので今から研究室に行って、対策をとることにしよう。


地震による研究室への影響

私どもの研究室は、7階にあります。建物全体が耐震構造になっているということですが、ものすごい揺れでした。窒素タンクとガラス棚が倒れました。また、有機溶剤が流れました。それ以外は書類等が落下したくらいで被害はありませんでした。ガラスが割れたので、靴でクリーンルームに入室するように指示しました。窓ガラスはすべて大丈夫でした。一方、壁からは塗料が粉状に少量ですが落ちてきました。インキュベーター内の被害は不明です。培養皿から、大量の培地がこぼれたとの報告を受けました。耐震対策により、実験用のガラス製品はほとんど無事でした。

再生医療では、生ものが薬となるので、このような災害では全く機能しないと思ってもいいでしょう。移動手段がなければ、薬は病院に行かないということになります。院内製剤なら、移動の問題はありませんが、逆に被災地であれば、薬ができないということになります。

テレビの報道を見ていると、悪夢を見ているような気分です。今後、三日間で震度6以上の余震が来る確率が70%以上だそうです。


Sunday, March 6, 2011

間葉系幹細胞にかかる供給源のヒト組織リスト

間葉系幹細胞にかかる供給源のヒト組織リスト
 
骨髄(腸骨)
 
子宮内膜
月経血
 
靭帯
真皮
骨膜
 
眼球
 強膜
 虹彩
 角膜
 網膜
 
脂肪組織
 
肋骨
肋軟骨膜

皮膚
 耳介
 
胎児付属物
 羊膜
 絨毛膜板
 絨毛
 脱落膜
 臍帯血
 臍帯
 動脈
 静脈
胎児
 
リンパ管周囲織


Direct-to-consumer marketers of genetic information

Direct-to-consumer marketers of genetic information

23andMe (米国)
deCODEme(米国)
Knome(米国)
Life Code (ドイツ)
Navigenics(米国)

米国ではゲノム情報の消費者への直接提供が認められている州とそうでない州がある。

経済産業省: 個人情報ゲノム・ビジネスにかかるガイダンスがあるらしい。

興味深い表現
新しい情報をお墓に持って行く(写真、ビデオ、成績、日記、医療情報に加えてゲノムが追加情報


ゲノムから病気のなりやすさ(生活習慣病の易罹患性)や体質(肥満,薄毛など)など健康・容姿に関わるものに留まらず,個人の能力(知能,文系・理系,音感),性格(外向的,内向的),進路(音楽,美術,運動適性)まで分かると宣伝しているところがあるらしい。少なくとも(将来は知らないけど)現在であれば、自己申告のレベルに追いついていないと感じる。


日本人類遺伝学会「一般市民を対象とした遺伝子検査に関する見解」(2010)の一部をコピペ(一部をコピペしたので、ニュアンスが変わっていますよ)。 
。。。註)本見解は,2008年に日本人類遺伝学会が公表した「DTC遺伝学的検査に関する見解」を,近年の状況に鑑み大幅に改定したものである。
。。。学術団体等で遺伝医学の専門家として認定された医師等を介さずに,易罹患性に関わる遺伝子検査を直接消費者に提供する企業や来院者に提供するクリニックが散見されるようになった.また,提供可能とされている遺伝子検査は,病気のなりやすさ(生活習慣病の易罹患性)や体質(肥満,薄毛など)など健康・容姿に関わるものに留まらず,個人の能力(知能,文系・理系,音感),性格(外向的,内向的),進路(音楽,美術,運動適性)などの非医療分野にまで広がりを見せ,企業のホームページでの過大な広告やマスメディアでも広く取り上げられるようになったため,一般市民にも広く知られるところとなった.