Tuesday, May 15, 2012

昨日の研究会でみた「山中4因子による生体内での奇形腫」

昨日の研究会での発表のひとつにびっくり。

山中4因子をタンデムに挿入し、mCherryで発現を確認できるトランスジェニックマウスでの話。なお、トランスジーンはdoxで発現がON/OFFできるようになっている。飲み水の中に入れているって言っていた。4週間ONにしていると腎臓と膵臓だったかな奇形腫ができるんだって。すごいね。山中4因子で奇形腫をin vivoで作製できるだなんて。

ONにして二週間で、各上皮に異型性が見られた。胆嚢上皮、胃腺上皮、膵管上皮、腎尿細管上皮。今でもその異型上皮の写真を思い出す。膵管上皮の異型・拡張はなんと2週間Dox OFFで消えるって。すごいね。

もうひとつ、すごい話。2週間OFFにして腎臓にWilms腫瘍ができる話。これは、遺伝子の発現がないんだから、新たな変異が加わったか、エピゲノム変異である。2週間ONで、2週間OFFだから、計4週間で生じるんだから、エピゲノム変異だろうって第一発表者が言っていた。同感です。そのうえ、Loss of imprintingがあって、IGF-2なんか(正確には忘れた)の発現が上昇していた。これってすごいよね。山中四因子がエピジェネティクス変異を誘導するってことで、リプログラミング作用があることを意味している。

逆のことを言えば、山中4因子がリプログラミング作用があるということと山中4因子をサイレントにしても腫瘍を発生させる可能性があるという事実はちょっと重い。

論文でゆっくりと読んでみたい発表であった。Knutがかかわっていた。KnutはN氏の友人。


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