細胞には、定常状態があるので、分類が不明瞭な中間点のような細胞は存在しない確率が高いと思う。すべて、ある形質(軟骨とか骨とか脂肪とか)に収束し、その状態から逃れられない。一般的にはそうだろう。そんな定常状態の細胞を不死化してあるのが細胞株ってわけだ。
.......ヒトの受精卵は,最後には体中の細胞に変化することができるということと,その過程で生じるさまざまな遺伝子の働き具合をすべて予想してやる。途中は一定の定常状態が存在し,別の定常状態に移動することがヒトの体づくりの運命なんだ。........
一方、人類とか動物種の分類は収束点のようなものが存在しない。細胞の分化過程での、遺伝子のネットワークの定常状態といったものがないだろうから、中間点のような動物種は存在するだろう。
分類でもいろいろだね。
下に昔書いたブログ記事をコピペ。
培養細胞の変化のしにくさ
培養している細胞の分化に関するポテンシャルは、変わらない。血液細胞は培養し続けても血液細胞である。分化状態の安定性と変化しやすいという、いささかパラドキシカルな事象が分化という現象の基本であり、転写因子のネットワークであり、ゲノムのメチル化であり、ゲノムのメチル化がその定常状態を産み出す.逆に定常状態が、転写因子のネットワーク、メチル化、ゲノムのメチル化を固定してしまうことも考えられ、その状態を観察すれば分化の定常状態がどのレベルにあるかを指摘できることになる.
ヒト発生の運命
.......ヒトの受精卵は,最後には体中の細胞に変化することができるということと,その過程で生じるさまざまな遺伝子の働き具合をすべて予想してやる。途中は一定の定常状態が存在し,別の定常状態に移動することがヒトの体づくりの運命なんだ。........
発生が進むと細胞は多分化能を失っていき,ある限られた細胞にしか分化できなくなる.多分化能を有する細胞からある系統にしか分化できない細胞への移行は,細胞の潜在性の消失または遺伝子発現の制限にほかならない.組織特異的な遺伝子の発現は,組織特異的な転写因子による転写活性と組織特異的なゲノムのメチル化による転写抑制があり,どちらの影響がより強いかは遺伝子ごとに異なる.組織幹細胞の分化における制限はゲノムのメチル化にあり、その構造を意識し改変することが再生医療おける細胞転換のきっかけとなる。
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