Wednesday, July 22, 2009

人工産物

 ここのタイトルの「間葉系幹細胞と骨髄間質細胞」は、元々の意味は生体内において使用していたであろうし、そうあるべきだ。しかし、私は、この二つを扱うときはいつも培養した後の細胞を使用している。培養したって、元々の形質は保持されるから問題ないって考えは正しいのが、やはり培養器の中の細胞は人工産物である。

 そういう意味では、ES細胞は人工産物である。そもそもは内部細胞塊の細胞である。iPS細胞も当然人工産物である。

 幹細胞の特徴のひとつである自己複製は、細胞株であれば元々の状態を保持したまま自己複製するので培養細胞の場合は当たり前ってことになる。細胞株でなくても、初期培養、それを継代した培養でも自己複製するので幹細胞の特徴を持ってしまう。こう考えると「増える」培養細胞はみんな幹細胞の特徴である自己複製を行う。

 人工産物の研究は、マウスES細胞が発生学に使用できるから注目されている訳であるが、ヒトES細胞の場合はだいぶその意味は異なる。だいたい発生学研究に使用できる訳ではない。そう考えるとマウスES細胞はともかく、ヒトES細胞研究は人工産物を対象にした研究ってことになる。

 自己複製というからには、複製後に細胞の性質は変化してはいけない。


細田さんから頂戴した部分日食の写真(東京)


曇っていたので、肉眼で部分日食を見ることができました。


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