iPSを作りたいと10年前に思ったとしよう。前の職場でのことを思い出してみよう。文科省の特定班での話を思い出そうじゃないか。班長に言われたね、「何をやっているの(否定的な意味で、何の意味があるの)?」
思うこと。
1. TERTを入れるよね。
2. Oct-3/4を入れるよね。
3. 培地は、ヒト胎児性がん細胞に使用している培地を使うよね。
思わないこと。
1. 24個もレトロウィルスベクターで入れるなんて考えないよね。
2. 2個だっていっぺんに入れようと思わないよね。
そんでもって、今のところでの事実。
1. TERTを導入した細胞からはiPS細胞はできない。
2. Thomson博士のScience誌に発表された培地がベスト。
一般に科学的発見って、いずれ誰かが発見するって言われているけど、山中博士のiPSはどうだろう。山中氏がいなかったら、今でもできなかったんじゃないかな。リプログラミングっていう発想があったんだろうか。c-mycが入れば不死になるから、TERTは不要っていうけど、本当に10年前にそんなふうに思えただろうか。導入した遺伝子がサイレントになるって、山中氏も思っていたかな。Weintraub博士のMyoDは、過剰発現で誘導し、その発現が下がることなく、骨格筋に分化する。TERTを一生懸命導入して、Oct-4/3を導入してという戦略は間違いであった。
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