メスのイヌの腎臓細胞を材料に細胞株の樹立を試みました。彼らはこの試みにも成功し、その細胞株はMDBKやMDOKと同様の方法でMDCK(Madin-Darby Canine Kidney)と命名されました。
輸入分のうち、スイスの製薬会社ノバルティス製(2回接種で1250万人分)は、細胞培養で作られたワクチンだ。孵化鶏卵の代わりに、イヌの腎臓の細胞から作り出した増殖力の強い「MDCK細胞」と呼ばれる細胞を使用する。バイオリアクター(培養器)内でMDCK細胞を増殖させ、そこにインフルエンザウイルスを混ぜてウイルスを増やす。
その後の製造工程は鶏卵培養と同じだが、2500リットルほどの最小のバイオリアクターでも孵化鶏卵100万個に相当し、鶏卵培養とは比較にならないほど生産効率は高い。MDCK細胞は液体窒素で冷凍保存できるので、孵化鶏卵と違って必要量の調達が容易だ。効き目は鶏卵培養と変わらず、卵アレルギーの人にも投与できる利点もある。
欧州各国では毎年冬に流行する季節性インフルエンザに対し、2年前から細胞培養で製造されたワクチンを使っている。日本もワクチンメーカーのひとつの財団法人・阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)が4年後に細胞培養でワクチンの量産を始める計画を立てている。
安全性についてはMDCK細胞を投与した実験動物の体内でMDCK細胞自体が形成される腫瘍(しゅよう)原性が確認されたが、ノバルティスによれば、ワクチンの製造過程でMDCK細胞は完全に除去されるため問題はない。
毒性を弱めた病原体や病原体の一部を投与することで体に免疫をつくる。これがワクチンのメカニズムだが、新型インフルエンザの大流行に対応するには、安全性や効果とともにワクチンを早く大量に生産することが求められ、細胞培養への期待は大きい。
Tuesday, November 17, 2009
ワクチンって、MDCK細胞で作るんだ。へぇー。
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