Saturday, November 28, 2009

current GMP and institutional GMP

 医薬品製造においては、高品質の医薬品や医療用具などを供給するために「製造管理及び品質管理規則(Good Manufacturing Practice:GMP)」と呼ばれる規制が存在し、これを遵守することが義務づけられています。GMPは世界に先駆けて1962年にアメリカ合衆国で取り入れられました。その後、世界保険機構(WHO)にてWHO-GMPが作成され、加盟各国がGMPを実施するよう勧告されました。とくにアメリカ合衆国のFDAにおいては、“現状で成し得る最大限のことを実施する”という意味で「cGMP(current GMP)」と呼ばれています。

 今後わが国の大学や先端医療センターなどで行われる細胞治療や遺伝子治療をはじめとする探索的臨床試験研究(トランスレーショナル・リサーチ)では、製薬企業などにおける医薬品製造のためのGMP (Full GMP) とは異なる規制、すなわち大学などの人的余裕などを考慮したInstitutional GMP (Academic GMP) の構築が必要と思われる。Full GMPとInstitutional GMP (Academic GMP)の差異を端的に述べるなら、前者ではルール違反があれば製造中止命令が出され罰則をともなうが、後者の場合は改善するように勧告を行い、大学側はこれを受け入れてより良いシステムづくりを行えるよう指導して行こうというのが米国FDAの基本的考え方である。米国では先端医療(技術)開発が国家の命運を握ると考えており、基礎研究の成果を積極的に社会へ還元するべきであるというスタンス(国家戦略)をとっている。

(見直し委員会の議事録より抜粋)
 米国のFDAが主張していることですが、フェーズI・GMPという考え方があ
って、ステップ・ワイズ・アプローチ(step-wise approach)、要するに今、先生がおっし
ゃったように100のプロジェクトがあって、うまくいくのが1つは2つぐらいしかない。
そういう段階でのレギュレーションと、それから一般的な治療法としてなった場合のレギ
ュレーションとが同じレベルであっていいのかどうかということは良く考える必要があり
ます。アメリカではフェーズI・GMPというステップ・ワイズ・アプローチですね。そ
ういうふうな考え方をとっているわけです。これは私どもが以前にinstitutional
GMP(iGMP)と呼んでいた考え方とほぼ同じコンセプトです。すなわち、このフェーズI、例
えば5人ぐらいの患者さんでやるというレベルと、それからこのオレンジのところはおそ
らく何百人から何万人、もっと多い人数に多分対応するのだろうと思うのですが、その中
間的な例えばここを50人とか100人ぐらいのところは共同研究というか、幾つかの施設が
一緒になって行わないと、日本の場合(日本だけではありませんが)なかなか難しいだろ
うと思います。


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