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本当かどうかは不明だが、興味深い内容。
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http://www.moumaku.jp/about_us/JRPS_Newsletter/JRPS_Newsletter_Vol21/2007_plans/Yasuo_Yanagi
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「骨髄間葉系幹細胞移植による網膜変性進行阻止効果」
柳 靖雄 (Yasuo YANAGI) 東京大学医学部付属病院眼科 網膜色素変性症に対する治療戦略の一つとしては細胞移植療法が挙げられます。
我々は網膜色素変性に対する幹細胞移植による再生医療を目標に実験を行なっています。
これまでに網膜色素変性症においてはモデル動物を用いた実験によって、様々な細胞の移植が視細胞の変性を形態的、機能的に抑制することが知られています。
この細胞移植療法の最終目的は、傷害された視細胞にかわる細胞を移植によって補い、ホストの網膜細胞と、神経回路網を新たに形成することです。
しかし、細胞移植療法による効果はそれだけでなく、移植された細胞から放出される神経栄養因子によって発揮されるという考えもあります。
視細胞が残存する病期であれば、神経栄養因子の補給によって現存する視細胞の変性を抑制し、進行を止めることができれば、有効な治療だと考えられます。
しかしながら、これまでの研究結果から移植された細胞は免疫拒絶反応を受け、免疫抑制を行なわないと長期に生着しない事が判明してきており、拒絶が問題点の一つとして挙げられるようになってきました。
自己の組織あるいは細胞を用いた移植療法を開発する事が出来れば、この免疫拒絶反応の問題を解決することができると考えられます。
細胞移植に用いる細胞では幹細胞が最近になって注目されるようになってきます。
その中でも、組織幹細胞と呼ばれる細胞の中に他の胚葉系にも分化可能である多能性幹細胞が存在することが明らかとなってきています。
中でも骨髄間葉系幹細胞は、骨髄から簡単に取得でき、末梢性の血管障害(バージャー病)、あるいは急性心筋梗塞に対して細胞移植が試みられており、良好な治療成績が報告されています。
また、神経系の細胞へ分化可能であるだけでなく、神経保護作用も報告されており細胞移植療法の細胞供給源として注目されています。
この骨髄細胞の大きな特徴は、容易に取得でき、培養で増やす事ができるために、自己移植が可能であるということです。
従って、我々は骨髄間葉系幹細胞に注目し、骨髄間葉系幹細胞の網膜細胞への保護効果および網膜変性症モデル動物に対する幹細胞移植療法の効果を検討しています。
その結果、マウスの網膜細胞を用いて、骨髄間葉系幹細胞の分泌する因子が、培養実験においては視細胞前駆細胞に保護的に作用することを見いだしました。
更に、我々は、Royal College of Surgeons(RCS)ラットという網膜色素変性症モデルラットを用いて網膜色素変性症が始まる4週齢で骨髄間葉系幹細胞を移植し、変性の進行具合を組織学的に網膜の厚みで検討し、また、残存視細胞の量を視細胞にのみ認められる因子のRT-PCR法で検討し、更に残存網膜機能を電気生理学的に検討しました。
その結果、骨髄間葉系幹細胞の網膜下移植により、網膜の厚みが保たれ、残存視細胞が増加し、機能も保持される事が明らかとなり、網膜変性は生後12週まで抑制されることが判明しました。
これらの結果から骨髄間葉系幹細胞には視細胞保護因子分泌能があることが示唆されました。
我々は、網膜幹細胞の実験も行なっていますが、網膜幹細胞の移植と比較すると間葉系幹細胞は強い変性抑制効果を有すると思います。
今後、自家細胞の移植が網膜変性を阻止することができるか別の動物モデルで実験を行なう予定にしています。
また、骨髄間葉系幹細胞は、雑多な細胞の集まりであるので、効率的で安全な治療を確立するためには、この細胞群の中でもどの細胞が効率的に視細胞死を抑制するか更に検討する必要があると考えられます。
従って更に、効率的に視細胞の細胞死を抑制する骨髄細胞分画を明らかにすることを目的として実験を行なう予定にしています。
この研究によって得られる成果は、網膜変性症の現実的な治療へ向けての実験学的基盤となると考えています。
我々は網膜色素変性に対する幹細胞移植による再生医療を目標に実験を行なっています。
これまでに網膜色素変性症においてはモデル動物を用いた実験によって、様々な細胞の移植が視細胞の変性を形態的、機能的に抑制することが知られています。
この細胞移植療法の最終目的は、傷害された視細胞にかわる細胞を移植によって補い、ホストの網膜細胞と、神経回路網を新たに形成することです。
しかし、細胞移植療法による効果はそれだけでなく、移植された細胞から放出される神経栄養因子によって発揮されるという考えもあります。
視細胞が残存する病期であれば、神経栄養因子の補給によって現存する視細胞の変性を抑制し、進行を止めることができれば、有効な治療だと考えられます。
しかしながら、これまでの研究結果から移植された細胞は免疫拒絶反応を受け、免疫抑制を行なわないと長期に生着しない事が判明してきており、拒絶が問題点の一つとして挙げられるようになってきました。
自己の組織あるいは細胞を用いた移植療法を開発する事が出来れば、この免疫拒絶反応の問題を解決することができると考えられます。
細胞移植に用いる細胞では幹細胞が最近になって注目されるようになってきます。
その中でも、組織幹細胞と呼ばれる細胞の中に他の胚葉系にも分化可能である多能性幹細胞が存在することが明らかとなってきています。
中でも骨髄間葉系幹細胞は、骨髄から簡単に取得でき、末梢性の血管障害(バージャー病)、あるいは急性心筋梗塞に対して細胞移植が試みられており、良好な治療成績が報告されています。
また、神経系の細胞へ分化可能であるだけでなく、神経保護作用も報告されており細胞移植療法の細胞供給源として注目されています。
この骨髄細胞の大きな特徴は、容易に取得でき、培養で増やす事ができるために、自己移植が可能であるということです。
従って、我々は骨髄間葉系幹細胞に注目し、骨髄間葉系幹細胞の網膜細胞への保護効果および網膜変性症モデル動物に対する幹細胞移植療法の効果を検討しています。
その結果、マウスの網膜細胞を用いて、骨髄間葉系幹細胞の分泌する因子が、培養実験においては視細胞前駆細胞に保護的に作用することを見いだしました。
更に、我々は、Royal College of Surgeons(RCS)ラットという網膜色素変性症モデルラットを用いて網膜色素変性症が始まる4週齢で骨髄間葉系幹細胞を移植し、変性の進行具合を組織学的に網膜の厚みで検討し、また、残存視細胞の量を視細胞にのみ認められる因子のRT-PCR法で検討し、更に残存網膜機能を電気生理学的に検討しました。
その結果、骨髄間葉系幹細胞の網膜下移植により、網膜の厚みが保たれ、残存視細胞が増加し、機能も保持される事が明らかとなり、網膜変性は生後12週まで抑制されることが判明しました。
これらの結果から骨髄間葉系幹細胞には視細胞保護因子分泌能があることが示唆されました。
我々は、網膜幹細胞の実験も行なっていますが、網膜幹細胞の移植と比較すると間葉系幹細胞は強い変性抑制効果を有すると思います。
今後、自家細胞の移植が網膜変性を阻止することができるか別の動物モデルで実験を行なう予定にしています。
また、骨髄間葉系幹細胞は、雑多な細胞の集まりであるので、効率的で安全な治療を確立するためには、この細胞群の中でもどの細胞が効率的に視細胞死を抑制するか更に検討する必要があると考えられます。
従って更に、効率的に視細胞の細胞死を抑制する骨髄細胞分画を明らかにすることを目的として実験を行なう予定にしています。
この研究によって得られる成果は、網膜変性症の現実的な治療へ向けての実験学的基盤となると考えています。
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