間葉系幹細胞は、英語ではMesenchymal stem cellとなり、間葉系幹細胞の供給源のひとつであり最も利用されている骨髄間質細胞は英語でMarrow stromal cellとなり、いずれもMSCと略される。少数だが、Multipotent stromal cellとの呼び方を提唱する研究者もいる。多くの場合、いずれも略語でMSCとして示されるのできわめて紛らわしい。その一方、骨髄間質細胞の一部に間葉系幹細胞があることは間違いないので、似たような言葉で異同をはっきりさせずに使用している場合もある。間葉系幹細胞の間葉とは中胚葉に由来する胎生期結合織を指し、間質細胞とは組織で機能する細胞が存在するところで支持構造を形成する結合織細胞を指す。これらの間葉系幹細胞を説明する記述は正確ではあるものの、近年における組織修復または再生医療における間葉系幹細胞の役割とは異なる。
間葉系細胞とは骨、軟骨、脂肪、骨格筋、真皮、靭帯、腱といった結合織細胞を総称しており、発生学的に沿軸中胚葉(paraxial mesoderm)由来の細胞である。1999年、ヒト間葉系幹細胞から骨、軟骨、脂肪に分化する多分化能を有する間葉系幹細胞を同定したという報告をPittengerらが行った。また、この沿軸中胚葉の他に、心筋、平滑筋、血管内皮といった発生学的に臓側中胚葉(visceral mesoderm)由来の細胞があり、間葉系幹細胞のなかに臓側中胚葉にも分化できる幹細胞が見出された。またさらに、一部の間葉系幹細胞は、神経上皮由来である(文献1)。間葉系幹細胞は、分化能に応じて階層構造を形成しているものと考えられている。このような間葉系細胞の供給源として、骨髄、臍帯血、臍帯、胎盤、月経血、子宮内膜、胎児、真皮、脂肪、末梢血等があげられる。
1.江良択実、高島康弘、西川伸一。 間葉系幹細胞の起源。 蛋白核酸酵素、53(1): 59-64, 2008
Sunday, July 27, 2008
間葉系幹細胞の復習と今日の研究室から見える夕焼け
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