Tuesday, July 15, 2008

ツールとインターフェイス

TFさんとの話です。

脳科学は、研究対象として、極めて興味深い。特に、意識、自我、記憶、思考としった高次機能がどのようなメカニズムで支えられているのかを知りたい。興味深い研究対象であるにもかかわらず、発生学研究のツールとなった分子生物学のようなキレの良い解析方法が脳科学にないために、どうしても面白いのか面白くないのか分からないような論文が有名誌に並んでしまうような気がします。なんか良いツールがあるといいのですけど。もちろん、わたしは年齢を考えるとその分野に入る可能性は全くございませんが、興味深い対象であり、意識、自我、記憶、思考としった高次機能がどのようなメカニズムで支えられているのかを知りたい。

コンピュータ上に新たに意識をつくることは可能かもしれないという考えを聞いたことがあります.一歩進んで,意識だけならその個人と同一のものをコンピュータ上に再現できるという夢物語があります.意識のクローンがコンピュータにできるわけです.コンピュータに自分の記憶と考え方のアルゴリズムを教えこみ自我(自分は誰だれであるという意識)を与えた場合,人間と同じ意識が生れてくるという楽観的な考え方です.楽観的ではあるけれども、大変,魅力的な考えです.しかし,この考えは,初めはあまり私を喜ばせませんでした.自分自身がコンピュータの中にいることを考えると嬉しくないと言うことです.ネットワークを介して世界中を駆けめぐることができてもいやです.計算能力が高いとほめられても,当然嬉しくありません.その説をTFに話したら「インターフェースがむずかしいね.」と言われました.誠にその通りで,ずっとコンピュータの中にいるのであればかまわないのだが,人間の形のなかにいるには,人間の器官とのあいだでいろいろと信号のやり取りをしなくてはいけません.より詳細にいえば,イカの塩辛を食べれば塩辛いと感じなくてはいけないのだが,その舌の情報を神経のシグナルで伝えてもうまくいきません.何らかの別のコンピュータが理解できる情報に変換していなくてはいけません.

ここで言うツールとはキレのいい解析方法を指し、インターフェイスとは味を意識する変換ソフトを指す。分かりやすい言葉を利用することで、ややこしい概念が一発で理解できるという例を挙げてみました。TFさん、ありがとう。



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