Saturday, July 19, 2008

移植細胞の腫瘍化における検証---米国FDA

今年の3月3日(ひな祭りの日)に米国NIHのベセスダ・キャンパスにて、FDA/CBER(米国食品医薬品局・生物評価研究センター)にて、副所長と部長二人を公式訪問しました。「公式」というのは、政府のdelegatesとしておじゃまして議論したという事です。

以下は、一緒に行ってお世話になった石井さんの再生医療における移植細胞の腫瘍化に関する報告です。

審査
連邦広報に掲載しているPoints to Consider(技術的考慮事項)の審査基準や、アドバイザリー委員会の見解に基づき科学的に実施している。審査基準については、具体的な数値、カットオフ値は設けてない。なぜなら、CBERは、個々の製品で状況が異なり、これらの製品に対する規制フレームワークの柔軟性を確保しなければならないからである。すなわち、審査はケースバイケースで科学的に実施している。たとえば、腫瘍原性については、テラトーマや悪性腫瘍の発生が起こるかヌードマウスなどへの移植し、基本は1年モニターする(注.93年のPoints to Considerでは12週と記載あり)が、この観察期間は、個々の場合により異なる。同様に、ゲノム不安定性をKaryotypeで示すのか、テロメア長でみるのか、いろいろなアプローチがあるが、FDAとしては科学的に実証できれば問題ない。

石井哲也さん、山本雄士さん、そして、厚生労働省の梅垣昌生専門官、お知り合いになれて本当にうれしいです。

その日は、ひな祭りにあたるため、日本にて雛あられを購入し、米国滞在の国家公務員(日本・米国両方)に配りました。しつこいようですが、自腹です。

1)ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(平成13年9月25日文部科学省告示第155号)、ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針(平成19年5月23日文部科学省告示第87号)
http://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/32_165.pdf
2)ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律(平成12年11月30日法律第146号)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/2001/hai3/1_houritu.pdf
3)特定胚の取扱いに関する指針(平成13年12月15日文部科学省告示第173号)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/seimei/2001/hai3/17_shishin.pdf
4)ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針(平成18年7月3日厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/iryousaisei01/pdf/01.pdf
5)ヒト又は動物由来成分を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について(通称1314号通知)平成12年12月26日医薬発第1314号厚生省医薬安全局長通知
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/report/saibousosikisinsei/file/1314goutuuti.pdf
6)ヒト(自己)由来細胞や組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性の確保について(平成20年2月8日薬食発第0208003号 医薬食品局長通知)ヒト(自己)由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針
7)ヒト(同種)由来細胞や組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性の確保について(平成20年9月12日薬食発第0912006号 医薬食品局長通知)ヒト(同種)由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針
8)遺伝子治療臨床研究に関する指針(平成14年3月27日策定、平成16年12月28日全部改正、文部科学省・厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/kousei/i-kenkyu/idenshi/0504sisin.html
9)平成19年度厚生労働科学研究費補助金 厚生労働科学特別研究事業「胚性幹(ES)細胞臨床指針作成に向けた課題検討のための予備研究」平成19年度総括研究報告書(主任研究者:中内啓光),平成20年4月
10)文部科学省研究振興局長通知「ヒトES細胞等からの生殖細胞の作成等に係る当面の対応について」(平成20年2月21日、19文科振第852号)
http://www.cdb.riken.jp/hsct/pdf/tutatsuiPS.pdf



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