Saturday, July 26, 2008

「幹細胞の産業化に向けて」というシンポジウム

青海の東京国際交流会館という、とてもきれいな会議場にて、「幹細胞の産業化に向けて」というシンポジウムが開催され、行って参りました。一部の発表は、新聞で記事になっていました。幹細胞及びiPS細胞の産業化での障壁は何か?との問いに、宮田満氏が、「まず、iPS細胞をばらまけ。」とおっしゃっていたのが印象的でした。再生医療に、産業界の参入が必要不可欠なのは議論の余地がありません。再生医療の分野ではキャッシュフローがほとんどないので、産業界は我慢を強いられているのが現状と理解しております。そのため、大手の製薬会社は参加せず、ベンチャーが生死をかけて挑戦しているように見受けられます。そこでも、我慢できる限界をさぐられているような厳しい事実があります。質問に対しての答えのひとつとして、わたしは「角膜に対する上皮シートを用いた再生医療といったような成功体験を増やしていくことしかないように思う。」とお答えしました。もうひとつは、言い古されて恐縮ですが、「腫瘍化といったリスクに対して、ゼロリスクを求めることなく、リスクを科学の力を借りて正確に記述し、再生医療を享受する者に利益と不利益のバランスを説明し、医療側と一緒に細胞移植を受けるべきかどうかを判断していくことである。」と申し上げました。



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