Monday, December 7, 2009

今井眞一郎先生のご講演

今日は、楽しみにしていた今井さんの講演がある日。今井さんは、今井「先生」とするなというが、今は偉い先生。今井君のご講演というのもなんだかこちらが偉そうで変だ。

タイトルは、「老化・寿命の全身性制御メカニズムとしてのNADワールド」で、魅力的。スライドのNAD WORLDの文字はフォントもきれいですてき。コクヨのポインターで華麗にプレゼン。かっこいい。キースライドの赤い楕円のまわりに各臓器でのSirt1の機能が描かれている。

最初の方にお約束の長寿の霊泉についてのジョーク。Sacred fountainの話は外国人にうけるのだろうか。天の橋立も知らない外国人が多いしね。余計な心配。

次に、Productive agingとかかれたスライド。日本語にすると健康長寿といったところか。いい訳がないが、Productive agingはいい言葉だ。造語か。

言葉遊び
Productive aging
Reproductive aging: 女性が子どもを生める年齢は40歳くらいまで。
Programmed aging: 個体老化はプログラムされているのだろうか。
Reprogrammed aging: 個体老化をリプログラムして寿命延長。

個体老化は、ゲノム・エラー仮説を今井眞一郎氏はとっていたが、今日は個体老化はプログラムされているっていうふうな発表だった。説を買えたのだろうか。

NMNは、シグマで売っているらしいが、高いらしい。

Sirt1の日内変動についての話があった。Sir2にdeacetylase活性があることが発見されてから10年が経ったとのこと。今井さんがその昔「少年老い易く学成り難し」と言っていたが、なんとか学成り立ったじゃないか。clock遺伝子群を破壊した細胞では、Sirt1の日内変動がなくなる。Sirt1は、昼から夜になるところで値が高くなる。理由を食餌の時間として説明していた。

High fat dietでも、NMNを食べさせると糖尿病にならないらしい。

治験もするっていっていたな。どんなデザインでするかは内緒。

Sirt1欠損マウスでは、どんな形質があったかは忘れた。

どこかの会社で科学顧問をしているらしい。赤ワインの低分子に関するベンチャー会社を、大手製薬会社が購入して今井氏を雇い入れたらしい。

神経での酵素過剰発現マウスでは、空腹時での動きが激しかった。神経での役割が明らかになったが、神経と代謝というとあまりイメージがわかない。そこで質問した。神経と代謝の関係は、神経軸索を通じて?答えは、そうであり、褐色細胞等に神経制御があると考えていた。寿命に関する新知見を発表した。ここでは書けないが、実験のスパンが長すぎて誰もまねできない。

寿命研究は仮説、実験デザインが当初から完璧に組まれていないとできない。作業仮説を証明するためのデザインが間違っていたのでは後から実験変更、追加をするのがとてもたいへんだ。逆のことを言えば、老化研究は4年かかるからポスドクたちには生化学研究とのバックッバックの個体研究とするのがいいと言っていたような気がする。

参考文献
Science. 2009 ;324(5927):651
Cell Metab. 2007 ;6(5):363
J Biol Chem. 2004;279(49):50754

最後に
今回は、ご講演いただくのに、半年前から予約を入れた。2年間お願いし続けて断られてきたので良かった。今は講演予約は1年らしい。

私は、予定が空いていれば、明日でも話しますので、どうぞお呼びください。ご講演となる場合は半月以上は前にお願いしてください。国家公務員なので書類があります。


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